「解決済み」の前提ほご 元慰安婦訴訟で賠償命令 日韓はどう受け止めたか

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ソウル中央地裁の入る庁舎=2021年1月8日撮影、共同
ソウル中央地裁の入る庁舎=2021年1月8日撮影、共同

 ソウル中央地裁は8日の判決で、主権国家は外国の訴訟で裁かれないとする国際法上の「主権免除」の原則を適用せず、日本政府に元慰安婦らへの賠償を命じた。戦後補償問題は1965年の日韓請求権協定で「解決済み」としてきた日韓関係の前提を根底から覆す判決。65年の国交正常化以降、徴用工問題などで最悪の状態にある日韓関係は、さらに険悪なものになりそうだ。

戦後補償またも司法先行判断 裁判長「請求権消滅せず」 韓国政府は「尊重」

 「被告は(法廷で)直接主張はしなかったが一つ付け加える」。裁判長は判決理由の最後にこう切り出し、「本件の損害賠償請求は、65年の日韓請求権協定と(慰安婦問題を解決する)2015年の日韓合意を見ても対象になっておらず、請求権が消滅したとは言えない」と述べた。

 日韓の戦後補償問題は、請求権協定と慰安婦合意でそれぞれ「解決済み」と繰り返す日本政府の主張を否定する解釈だ。原告代理人は国際法の新たな流れを踏まえ「元慰安婦の人権問題は主権免除の例外に」と主張したが、日本政府が元慰安婦に行った支援事業を賠償に代わる措置として認めるかには言及していなかった。裁判長は原告の主張を上回る解釈に踏み込んだ。

 韓国における慰安婦問題は近年、司法がリードしてその方向性を決定付け、行政を拘束するという構図が繰り返されてきた。憲法裁が…

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