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感染急増の福岡 知事「宣言対象ではない」時短要請にも慎重 医療現場は規制求める

福岡県庁=福岡市博多区で2019年2月24日、森園道子撮影

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 大阪など関西3府県が政府に緊急事態宣言の再発令を要請することになった。8日に3日連続で300人超となる369人の感染が確認された福岡県も病床使用率などで高止まりが続くが、小川洋知事は「宣言対象の段階ではない」との認識で、飲食店の営業時間短縮要請など独自の対応にも慎重だ。感染防止対策の徹底を繰り返し求める姿勢には、医療現場から「踏み込んだ対応が必要」との声も上がる。

 「県は『ステージ3(感染急増)』に当たるか当たらないかのところで踏みとどまっている」。小川知事は8日の対策本部会議後に開いた緊急記者会見で、政府分科会が4段階で示す感染状況を引き合いに県の現状を説明。「感染が増えれば、国に宣言の対象に含める要請を検討せざるを得ない。今が正念場」としながら、宣言が必要な段階ではないとの認識を示した。

 県によると7日現在、政府分科会が感染状況を判断する目安に設定した指標のうち五つが、最も深刻で、緊急事態宣言などを検討せざるを得ないとする「ステージ4(感染爆発)」に達した。しかし小川知事は「医療提供体制の状況などの総合判断」として、時短要請などを検討するステージ3にも入っていないと説明。会食は家庭内も含め少人数で短時間にするなどの要請にとどめた。年明けの感染者急増も「(医療機関の再開で)受診・検査を受ける人が増えた季節特有のものか見極める必要がある」と述べた。

 小川知事は「総合判断」の理由を「専門家と意見交換した結果」などとする。ある県幹部は「(時短要請は)県民や事業者に大きな負担を強いるが、他都市を見ても感染者抑制にどれだけ効果を上げているか微妙だ。簡単には踏み切れない」と語った。

 事業者らの心中は複雑だ。福岡市中央区の飲食店経営の男性(57)は、緊急事態宣言の発令に「1都3県に続き関西、福岡という短絡的な機運には抵抗を感じてしまう。福岡の知事も総合的に考えて判断すると思うので、淡々と営業するだけ」と語った。福岡市のあるもつ鍋店の店長は「営業時間の短縮を求められても従わない店を公表するなど行政指導しない限り、言うことは聞かないのでは」と厳しい表情で答えた。

 医療現場では、県の対応に疑問も出ている。

 新型コロナ患者の治療にあたる福岡赤十字病院(福岡市南区)の中房祐司院長は「(感染者数が)高い状況が続くことは想定していなかった」と話す。病院にあるコロナ患者専用の病床は19床。従来は空きが1、2床あったが7日夕に満床になった。人工呼吸器を使う重症者は入院期間が1カ月近くになり「数が増えた時に重症者を多くみられる状況ではない」という。

 何とかコロナ以外の診療も続けているが、中房院長は「病床の拡大を求められたら、スタッフを充てるため一般診療を中断しないといけなくなる」と訴え「1都3県のように、飲食を中心とした時間短縮など行動の抑制をトップが明確に打ち出す必要があるのではないか」と踏み込んだ対応を県に求めた。【吉住遊、青木絵美、飯田憲、下原知広】

政府分科会の指標から見た感染状況

   病床使用率 重症病床使用率 療養者数 陽性率

ステージ3  20%   20%    15人   10%

ステージ4  50%   50%    25人   10%

東京都   75.6%  50.5%   82.0人  14.4%

大阪府   63.2%  78.1%   50.6人  7.7%

福岡県   52.5%  17.3%   44.4人  8.2%

※厚生労働省などの資料から作成。東京は5日、大阪、福岡は7日時点。療養者数は人口10万人当たり

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