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キャンパスNOW

トップに聞く 個性を生かす国際教育を実践 関西外国語大・大庭幸男学長

 おおば・ゆきお 1949年、福岡県生まれ。76年九州大大学院文学研究科修士課程修了。85年米マサチューセッツ工科大客員研究員。97年博士(文学)。大阪大教授、日本英語学会会長などを経て、2020年4月関西外国語大学長に就任

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 2020年11月に創立75周年を迎えた関西外国語大(大阪府枚方市)。この節目の年に学長に就任した大庭幸男さんは「新型コロナウイルス感染症の対策に追われた月日だった」と振り返る。コロナ禍により、国境を越えた移動が制限されるなか、同大が長年培ってきた国際交流のあり方も問われている。大庭学長は「時代に応じた新たな国際教育の取り組みに挑戦していきたい」と先を見据える。【谷田朋美】

専門分野を学ぶ留学を重視

 ――大学の特色について教えてください。

 本学は、外国語教育をベースに国際交流を通じてグローバル人材の育成に努めてきました。現在、世界55カ国・地域の393大学と協定を結んでいます。海外の協定大学と関西外大の二つの学位を取れるダブル・ディグリー留学、現地の学生と専門・教養科目を英語で学べるリベラルアーツ留学など、留学プログラムは多彩です。例年約1900人の学生が留学し、海外からも年間約750人の留学生を受け入れてきました。

 本学で特に重視しているのは、外国語を学ぶのではなく、外国語で専門分野を学ぶ留学です。そのために必要なスキルを学べる独自の英語教育「Super IESプログラム」を海外の協定大学と協働開発し、国際関係や歴史、政治学など幅広い科目を留学し留学生とともに学ぶ「関西外大流グローバル人材育成プログラム」の開講など、学生の個性を生かすオンリーワンの国際教育ができるよう整備してきました。

 ――20年4月に学長就任後、新型コロナウイルス感染症にどう対応しましたか。

 入学式を中止、春学期の授業、各種イベントもオンラインによる実施を決定しました。これまで経験したことがない異常事態でしたが、春学期は教職員と一致団結して対応し、何とか切り抜けられ安堵(あんど)しているところです。

 秋学期は、学生や保護者の要望などを総合的に判断し、1年次の必修科目の授業を中心にオンラインから対面に切り替えて実施しています。

 ――コロナ禍における留学の現状は。

 20年秋学期の留学生の受け入れや、21年春までの学生の留学派遣については中止を決定しました。ただ、海外の協定大学から来日する予定だった留学生には、日本語や日本の歴史・宗教などの授業をオンラインで提供しており、米国、英国、メキシコなど世界22カ国・地域の学生約320人が受講しています。

 このような状況のなか、本学の強みである海外の協定大学との連携を継続しつつ、学生のモチベーションを維持していくための取り組みを重視してきました。

オンラインでも留学生と交流

 ――どのように交流を図っていますか。

 オンラインで授業を受講する留学生と本学の学生を対象に、ウェブ上で繰り広げる新たな国際交流の取り組み「Global Act Initiative」をはじめました。中心となるのは、学生が主体となって企画を立案、実施する「Intercultural Engagement Program」です。「ランゲージラーニング(言語学習)」「カルチュラルブロードキャスト(文化発信)」などテーマ別に七つのチームに分かれ、社会問題を議論したり、各国の家庭の様子や文化を紹介したり、国内外の卒業生のキャリアの話を聞いたりするなど、趣向を凝らしたイベントを企画・運営しました。

 ――どのような成果がありましたか。

 参加した学生は「留学生との交流がモチベーションアップにつながった」、リーダーを務める学生は「自宅にいながらグローバルな体験ができる貴重な時間。学生同士の横のつながりもできて、日常の良い支えになっている」と話していました。

 異文化への理解が深まるだけでなく、ITを活用する知識や能力の習得にも役立っています。また、困難な状況のなか、自ら課題を発見し、解決策を考え、行動する力を鍛える機会にもなっています。

 ――21年4月より英語国際学科のカリキュラムが拡充されると聞きました。

 英語と中国語の学修と2年次に英語圏と中国への各1学期間の語学留学が、英語国際学科の特色でした。

 新カリキュラムでは、留学の参加時期を2~3年次の2年間で参加できるように幅を広げます。さらに、貧困や環境問題などについて考える「グローバルリベラルアーツ」科目や、AI(人工知能)やデジタルコミュニケーションに関する入門的な科目、ビジネスや経済の革新的な動向について学ぶ「フューチャーデザイン&イノベーションスタディーズ」などを開講し、学修内容を拡充。複雑化する社会に対応できる力を養うことを目指しています。

困難の中、行動する力を

 ――アフターコロナの時代を見据えた今後の展望を教えてください。

 昨今、グローバル化の進展は止めようがなく、AIなどのテクノロジーもすさまじい勢いで進歩しています。今後より一層、予測困難な社会になっていくものと思われます。現代社会で求められるのは、いかなる状況の中でも、自ら課題を見つけ、解決の方策を考えていける人材を育成することです。時代に応じたカリキュラムに改革するほか、本学にしかできない、本学だからできる国際交流のあり方を構築していきたいと考えています。

 19年に策定した「関西外国語大学ビジョン・中期計画」にもありますが、課題解決型の「どこででも生きていける“逞(たくま)しく品格ある人物”」を輩出できる大学を目指していきます。


中宮キャンパス。世界中から多様な価値観が集まる場づくりに力を入れている=関西外国語大学提供

キャンパス

中宮キャンパス

〒573-1001 大阪府枚方市中宮東之町16の1

御殿山キャンパス・グローバルタウン

〒573-1008 大阪府枚方市御殿山南町6の1

学生数

1万2151人(?年5月1日現在)

学部

英語キャリア学部、外国語学部、英語国際学部、短期大学部

ホームページ

https://www.kansaigaidai.ac.jp/

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