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時の在りか

象を撃つ政治指導者たち=伊藤智永

ロンドン北東部のオーウェル旧居=小松浩撮影

 エリック・アーサー・ブレアは、23歳で象を撃ち殺した。英国有数の名門高校を出たが大学へは進まず、植民地ビルマ(現ミャンマー)の警察官だった時のことである。

 ある日、一頭の飼い象が市場で暴れ、労働者が1人踏み潰された。ブレアは狩猟用ライフル銃を手に後を追う。象は静かに草をはんでいた。一目で撃つ必要はないと確信したが、いつの間にか2000人を超えた群衆は、暗い期待で興奮している。撃ちたくなかった。だが、白人は植民地で現地民を前におじけづいてはならない。撃つしかなかった。

 1発。ひざを折るが倒れない。2発目。立ち上がった。3発目。倒れても息はある。さらに2発撃ち込んで弾は尽きた。群がった民衆が肉をそぎ、象は瞬く間に骨と化した。

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