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社説

個人情報ルール一本化 信頼得られる仕組み必要

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 国と地方自治体、民間でバラバラになっている個人情報の保護ルールが一本化される。政府は通常国会に個人情報保護法改正案を提出する方針だ。

 全国的なルールを整備し、行政サービスの効率化や官民のデータ利活用促進につなげる狙いだ。

 現在は、国や独立行政法人、民間企業を対象とする三つの法律と、地方自治体による多くの条例が乱立する。「2000個問題」と呼ばれている。

 情報を取り扱う主体ごとにルールや解釈が約2000にも分かれていることを問題視したものだ。データを外部と共有する手続きもまちまちだ。

 新型コロナウイルスへの対応では、その弊害が表面化し、国と自治体、医療機関は感染者情報の共有に手間取った。

 政府は個人情報の定義などをそろえた共通ルールを地方自治体にも適用する方針だ。情報が適切に取り扱われているかをチェックする機関も内閣府の外局の個人情報保護委員会に一元化する。

 実現すれば、感染症や地震など災害時の支援策で国や自治体、民間企業の連携が円滑になることが期待される。

 一方で、課題も多い。

 自治体は保護の取り組みで国に先行してきた。「生活保護の受給」や「LGBTなど性的少数者」「出身地域」などの機微に触れる情報を多く持つからだ。都会に比べて住民同士の距離が近い地方では、情報が漏えいした場合の影響も大きい。

 政府は一本化後も「必要最小限の範囲」で自治体が独自に保護対象を追加することを認めるという。地域事情により保護すべき事柄はさまざまだ。国は自治体の声に十分耳を傾けねばならない。

 菅政権は民間企業の情報活用による新規ビジネス創出も期待している。情報を提供する際には、個人が特定されないように加工するというが、不正利用や漏えいの防止策を徹底する必要がある。

 個人情報保護委員会の体制強化も急務だ。現在の約140人の陣容では、国から自治体、企業までを監視するのは困難だ。

 政府は法改正にとどまらず、国民の信頼を得られる保護の仕組みを構築すべきだ。

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