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養老孟司・評 『里山に暮らすアナグマたち フィールドワーカーと野生動物』=金子弥生・著

『里山に暮らすアナグマたち フィールドワーカーと野生動物』

 (東京大学出版会・4180円)

研究室にこもらぬ学者の力

 里山に暮らす哺乳類は多いが、その中で著者が主に研究対象としたのがアナグマである。アナグマ研究についてはイギリスのオックスフォード大学が有名で、この大学の近傍には本書にも記されるワイタムの森があり、アナグマが高密度に生息する。著者はこの大学にも留学して研鑽(けんさん)を積む。アナグマは里山の動物とはいえ、ふだんあまり見慣れない動物で、私は二十数年前に、当時は岩手県大船渡市にあった北里大学水産学部の校門で一度見ただけである。夜行性のアナグマを昼間に人里で見るのは珍しい。つい二、三年前、箱根の別荘で客人たちと外食して戻った時に、客が子連れのアナグマが裏庭を歩いていたので写真を撮ったと言っていた。この家族にも残念ながらその後出会っていない。

 本書はアナグマだけについて書かれたものではない。副題が示すように、里山の動物についてフィールドワークをしてきた女性研究者が、自分の研究歴を仲間との関わり合いも含めて、丹念にまとめたものである。わざわざ女性と書くのは、女性のフィールドワーカーが少ないというだけではなく、動物の生態研究では著しい男女差が出る場合があるからである。

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