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静岡市駿河区の草薙球場のマウンドから新成人の矢原正信さん(20)が投じた球は、青空の下で弧を描きキャッチャーミットに収まった。「お見事!」。始球式を実況する司会者の声が無観客の球場にこだました。新型コロナウイルス感染対策で初めて屋外で開催された同市の成人式は3日、運営する一部の新成人らで、ひっそり行われた。昨年末までは同球場に約4300人が集まる予定だったが、全国的な感染者の急増を受けてオンライン配信形式に変更された。
同市では実行委員会の新成人17人が、約半年前から式典の企画を準備。「密」を避けるため参加者は約1万4000人収容の内野スタンドに2席ずつ空けて座る予定だった。しかし、東京や愛知の都市部など県外で暮らす新成人の帰省を促し、大勢を集める式は感染を広げる恐れを拭えず、市は直前に苦渋の決断をした。
緊急事態宣言の再発令に伴い、各地の成人式は中止や延期など変更が相次いでいる。市の担当者は「屋外開催や感染対策など初めてのことが多く大変だったと思う。できれば予定通り開催させてあげたかった」と振り返る。実行委員長を務めた矢原さんは「(直前の変更に)驚きや戸惑いはあったが、新たな形での成人式ができたと考えれば無駄ではない。壁にぶつかったときに前を向き続けられる大人になりたい」と語った。【喜屋武真之介】
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