緊急事態宣言、なぜ効果低い? 経済学者が分析「罰則も期待できず」
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新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2度目となる「緊急事態宣言」が発令された。しかし、その効果を疑問視する声も上がっている。昨年4~5月の緊急事態宣言時、外出がどれだけ抑制されたかを計測・分析した経済学者の渡辺努・東京大教授は「宣言による抑制効果は小さく、今回はさらに薄くなるだろう」と推測。新型インフルエンザ等対策特別措置法を改正して罰則などを科しても効果は期待できないと指摘する。なぜなのか。どう対処すればいいのか。詳しく聞いた。【牧野宏美/統合デジタル取材センター】
緊急事態宣言の外出抑制効果は8%
――渡辺さんは共同研究者と昨年の緊急事態宣言の外出抑制効果を調べていますが、どんな結果でしたか。
◆NTTドコモから提供を受けたスマートフォンの位置情報データを用いて、人々の外出が新型コロナ感染拡大前と比較してどの程度低下したかという指標を日ごとに計算し、その低下の要因を分析しました。
私たちは外出を減らす効果には「介入効果」と「情報効果」の2種類があると考えています。介入効果とは、緊急事態宣言など政府の施策が及ぼす直接的な効果です。情報効果とは、感染者数や死者数など、政府が発表したりメディアが報じたりする情報を人々が自ら入手することでもたらされる効果です。情報効果は全国共通とみなしました。緊急事態宣言の発令時期が自治体によって異なるため、そのずれを利用して宣言の効果を測りました。
外出は感染拡大前と比べ、宣言によって8・6%減りました。しかし、例えば東京都では全体で60%程度外出が減っています。つまり、宣言そのものの効果は限定的だったということが分かったのです。
――なぜ緊急事態宣言の効果は低いのでしょうか。
◆介入効果、情報効果の別でとらえると、全体の外出抑制のうち、緊急事態宣言を含む介入効果によるものは4分の1に過ぎず、4分の3は情報効果によるものでした。このことから、行動変容の主要因は施策ではなく情報であり、多くの人々が入手した情報をもとに、自発的に外出…
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