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今こそ「いざという時」 企業の内部留保を回すべきだ 水野和夫教授が危機を語る

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インタビューに答える法政大の水野和夫教授=東京都千代田区で2020年12月14日、小川昌宏撮影
インタビューに答える法政大の水野和夫教授=東京都千代田区で2020年12月14日、小川昌宏撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大で、サービス業を中心に仕事を失う人が増える一方、影響を受けず逆に収入を増やしている人々もいる。法政大の水野和夫教授(グローバル経済論)に、新型コロナがもたらす格差などについて話を聞いた。【聞き手・岡大介】

 ――新型コロナによって格差は広がっていますか。

 ◆格差はどう考えても広がっている。人との接触を避けオンラインで業務ができる人々は、比較的打撃が小さい。それらの人々は元々正社員が多く、残業代などが多少減ってもそれほど影響はない。一方で、対面でサービスする飲食などの業種はもともと非正規社員が多く、新型コロナで職を失い収入がゼロになるケースもある。看護師も、最前線で頑張っているのに新型コロナで病院が経営難になりボーナスが減るという矛盾が起きている。格差自体は以前から存在していたが、コロナで拡大している。

 ――日本で格差が広がり始めたのはいつごろからでしょう。

 ◆1990年代以降だと考えている。特定の業種に限定されていた派遣労働が99年に原則自由化された。企業は、派遣労働者や非正規労働者を雇用の調整弁として使い、人件費を固定費から変動費に変えることに成功した。削減した人件費は株主への配当金の原資となった。同じ時期に「金融ビッグバン」と呼ばれる金融制度改革も行われ、国境を超えてお金が動くようになり株価が乱高下しやすくなった。普通の人々のほとんどは資産を預金という形で保有しており、低金利で増えない状況だ。だが、余裕のある富裕層は株の配当や株価上昇で資産を増やしている。

 世界的に経済成長は止まりつつある。そうなると、富を得るには誰かから奪わなければいけない。昔は南の途上国から石油や商品作物など資源を奪っていたが、途上国もそれを許さなくなり、先進国ではいわゆる「中間層」がそのターゲットになった。日本でそれを象徴するのが、派遣労働の解禁だ。

 ――格差拡大で懸念される影響は。

 ◆日本で格差拡大が顕著になり始めて、すでに四半世紀たった。つまり1世代に相当する。それだけ格差拡大が続くと、…

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