メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

今よみがえる森鴎外

/22 新たな解釈に惹かれ 映像化された名作たち=作家・遠田潤子

作家の遠田潤子さん=本人提供

 <文化の森 Bunka no mori>

 映像化された鷗外作品は多い。「雁」「舞姫」などがあるが、最も有名なのは、ベネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した溝口健二監督の「山椒大夫」だろう。

 許されぬ殉死を巡る悲劇を描いた「阿部一族」も何度か映像化されている。監督によって原作の切り取り方が違って、比較しながら観(み)ると非常に面白い。

 一九三八年公開、熊谷久虎監督の映画は「昼寝を終えて腹を切りに行く男」のエピソードからはじまる。ここは原作でも非常に印象的な部分だ。釣り忍につけた風鈴がかすかに鳴り、手水(ちょうず)鉢(ばち)の柄杓(ひしゃく)にはやんまが止まっている。そんな穏やかな日、妻が昼寝をしている夫を起こす。目覚めた男は「ひどく気分が好(よ)うなった」と言い、「心静かに支度をして」、「腹を切りに往(い)った」のだ。

この記事は有料記事です。

残り1879文字(全文2242文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 感染症と闘う 新型コロナ/6 マスク着用に一定の効果

  2. 共通テスト、マスクから鼻出して「失格」 監督者の注意に従わず

  3. 横浜から鳥取までタクシー代23万円不払い 詐欺容疑で逮捕 鳥取県警

  4. お年玉付き年賀はがきの当選番号決まる 賞品引き換えは7月20日まで

  5. 「その気になればできる」 国産長射程ミサイルに込められた「隠れた狙い」とは

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです