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名品手鑑Ⅱ

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滋賀の博物館・美術館探訪/19 佐川美術館 佐藤忠良の作品など常設 /滋賀

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 <名品手鑑Ⅱ(めいひんてかがみ2)>

時代の感覚に呼応した女性像

 佐川美術館は佐川急便の創業40周年記念事業の一環として、1998年に守山の地に開館しました。水庭に浮かぶようにたたずむ建物は、日本の和を基調としながら周辺の自然環境との調和に配慮し、数々の建築賞を受賞しています。コレクションである日本を代表する3人の芸術家、平山郁夫(ひらやまいくお)(日本画家)、佐藤忠良(さとうちゅうりょう)(彫刻家)、十五代樂吉左衞門(らくきちざえもん)(陶芸家)の作品を常設展示しています。当館では野外に彫刻作品を展示しており、そのうちの「萌(きざし)」という作品は、美術館が開館した前年に制作されました。両腕を広げているこの作品は、美術館入り口に配され、「萌」という漢字には「芽吹く」という物事の始まりを意味することからも、来館者の方をお出迎えしているかのようです。今回はこの作品を制作した佐藤忠良についてご紹介します。

 佐藤は宮城県に生まれ、父の死後、母方の実家のある北海道で少年時代を過ごします。東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業後、新制作派協会(現・新制作協会)を舞台に活躍した佐藤は、44年に兵役に召集され旧満州(現中国東北部)に渡り、終戦後も捕虜として極寒のシベリアの地で3年間の過酷な抑留生活をおくりました。その中で人間同士の本質を知り、心の眼で物事の本質を捉えることの大切さを知りました。

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