希望新聞

東日本大震災10年へ 被災地の逸品 福島県・飯舘村 「気まぐれ茶屋ちえこ」 どぶろく 「特区1号」守り続ける

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
原発事故による避難生活の中でも、どぶろくを造り続けた佐々木千栄子さん
原発事故による避難生活の中でも、どぶろくを造り続けた佐々木千栄子さん

 福島県飯舘村で農家レストラン「気まぐれ茶屋ちえこ」を経営する佐々木千栄子さん(75)が造る「どぶろく」は、辛口の素朴な味わいが魅力だ。阿武隈高地の冷涼な気候の下、丁寧な手作業で造られるその酒を、苦難に負けずに守り続けてきた。

 飯舘村は2005年、福島県内で初めての「どぶろく特区」に認定され、どぶろく製造免許の取得要件が緩和された。佐々木さんが農家レストランの目玉商品にしようと、村役場にかけあったことがきっかけだ。自分の田んぼで育てた米を使うなど、税務署から課された条件をクリアし、県内第1号の製造免許を取得した。製造を始めると、物珍しさも手伝って人気が出た。

 だが、11年の東京電力福島第1原発事故で村全域に避難指示が出され、佐々木さんも村から西に約20キロ離れた福島市飯野町に避難。翌年、夫の勝男さんを病気で亡くした。それでも「村に戻ってどぶろくを造る日まで、続けないといけない」と奮起した。「好きで避難したわけではない」と税務署を説得して避難先での醸造を認めてもらい、借家を加工場に改装してどぶろくを造った。

この記事は有料記事です。

残り352文字(全文811文字)

ご登録から1カ月間は100円

※料金は税別です

あわせて読みたい

注目の特集