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藤原章生のぶらっとヒマラヤ/9 恐れるな、ただ歩け

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キャンプ2からキャンプ3へ向かう途上、標高6700メートル付近。右手にいまにも崩れそうなアイスフォールがある=2019年10月10日、藤原章生撮影
キャンプ2からキャンプ3へ向かう途上、標高6700メートル付近。右手にいまにも崩れそうなアイスフォールがある=2019年10月10日、藤原章生撮影

 雪崩の恐怖を記述するときに「気がする」「ようだ」という文末が多いが、これは実際に自分の身に起きたことなのによくわからないからだ。つまり自分も含めた人間のことが、恐怖一つとっても私にはまだよくわかっていない。だから、いくら考えても断定はできないのだ。

 恐怖をつかさどるというか、恐怖という感情を呼び起こすのは、脳の両側面から少し内側に入った視床下部の下にある「へんとう体(アミグダラ)」と呼ばれる部位にある五つの領域のうち、二つの領域の活性化が絡んでいることがわかっている。磁気共鳴画像化装置(MRI)の技術などによって、1970年代から急速に発展を遂げた神経科学によって解明されてきたわけだが、まだ確定しているわけではない。

 へんとう腺でも使われているこの「へんとう」という言葉は、もともとアーモンドのことを指しており、実際にその形が似ていることから、この脳の領域はギリシャ語のアーモンドで「アミグダラ」と呼ばれるようになった。

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