まんじりともせぬまま夜を過ごして起き出せば、明るみ始めた空の下で、男たちがそれぞれの馬の背に鞍(くら)を置いている。狩りだけに挂甲(けいこう)草摺(くさずり)こそつけていないが、いずれも矢を満たした胡籙(やなぐい)を背負い、腰に大刀を帯びている。その中に葛城(かつらぎ)・大友(おおとも)親子や中臣(なかとみの)鎌足(かまたり)、大(おお)海人(あま)の姿を探す額田(ぬかた)の背を、
「さあさあ、男君の雄々しい狩姿に見惚(みほ)れるお気持ちは分かりますがな。女人がたはこちらに集まってくだされ」
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