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東日本大震災10年へ

東日本大震災は2021年3月で発生から丸10年の節目を迎える。

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続・沿岸南行記/12 仙台市・荒浜から名取市・北釜へ 残された神社と絆

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増築した下増田神社の社殿。右奥の末社の建物には津波の高さを示す青い標識がある=いずれも宮城県名取市で2日、滝沢一誠撮影
増築した下増田神社の社殿。右奥の末社の建物には津波の高さを示す青い標識がある=いずれも宮城県名取市で2日、滝沢一誠撮影

 宮城県名取市の下増田神社は雪化粧し、境内の裏手にある防災公園ではたこ揚げをする子供たちが走り回っていた。新年を迎えたばかりの2日。小高い丘の上にぽつんと建つ神社の社殿にはしめ縄が飾られ、10年前のあの日まで近所に住んでいたという初詣客の姿もあった。

 周囲に見えるのは、仙台空港のターミナルビルや隣の寺、東日本大震災時の住民が「震災遺構」として私費で保存した1軒の民家だけ。神社がある北釜地区には震災が起きるまで、約400人の住民が暮らしていた。宮司の佐藤純一さん(40)は「地元の氏子の皆さんは崇敬心が高く、神事にも協力してくれた」と震災前を振り返る。

 佐藤さんは、隣接する宮城県岩沼市相野釜地区の出身で、祖父の敏男さんが宮司を務めた稲荷(いなり)神社で育った。20年以上前、神主がいなくなった下増田神社の神事を敏男さんが受け持つことになり、後に佐藤さんが宮司を引き継いだという。

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