メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

コロナで変わる世界

「世界から忘れられた」人々 生活の糧、学校…すべて失い「難民にすらなれない」

コンゴ民主共和国から逃れてきた難民申請の希望者たち=ウガンダ北部ゾンボの国境付近で2020年7月1日(国連難民高等弁務官事務所提供)

 新型コロナウイルスは、紛争や迫害によって住む場所を追われた難民や国内避難民たちをより一層厳しい状況に追い込んでいる。「世界から忘れられた」と訴える人々のコロナ禍での暮らしを、オンラインで取材した。

貧困層は「経済に殺される」

 「コロナより、子供を失う方が怖い」。アフリカ・ウガンダ北部グル県。2000年代半ばまで20年近く続いた内戦の影響で国内避難民となった38歳のリンダさん(仮名)は、コロナ禍で洋裁の仕事を失った。20年4月から全土で始まったロックダウン(都市封鎖)で、医療などを除く多くの仕事が禁止されたためだ。今も夜間外出の規制が続く。

 リンダさんは9歳で武装勢力に拉致され、10代の全ての年月を「子供兵」として生きた。内戦終了後に洋裁を学び、15年かけてようやく築いた生活はコロナで崩れた。違法営業している酒場を回ってゆで卵を売る行商を始めたが、子供4人を連れて昼から深夜まで歩き、稼げるのは1日130円ほど。コロナ前の半分にも満たない。

 北部を中心に衛生環境も悪く、ウガンダでは子供の22人に1人は5歳まで生きられない。リンダさんは新型コロナが流行する直前、生後9カ月の双子の一人を栄養失調で失った。コロナ後の収入低下で家族は肉や魚を食べられなくなり、トウモロコシ粉などを1日1回食べるのみだ。6人の子供は相次いでマラリアなどにかかった。だが、自宅から最も近い総合病院まで車で1時間半弱。移動制限で交通機関は止まり、病院に行くこともできない。

 数年前から続いていた夫の家庭内暴力(DV)も悪化した。「何度も逃げたが連れ戻されてしまった。子供もいるし、耐えるしかなかった」。コロナ禍で失業した夫は、子供の食費として稼いだ日銭も無心するようになった。11月に支援組織に保護されたリンダさんは「せっかくここまで自分で生活してきたのに、元に戻ってしまった。つらくて仕方がないが、もう一度起き上がりたい」と話す。

 「紛争当時と光景が重な…

この記事は有料記事です。

残り2736文字(全文3555文字)

稲垣衆史

2006年4月入社。岐阜支局、中部報道センター、長野支局を経て17年4月から東京社会部。18年8月から宮内庁で皇室取材を担当し、平成から令和への代替わりを取材した。

コメント

投稿について

読者の皆さんと議論を深める記事です。たくさんの自由で率直なご意見をお待ちしています。

※ 投稿は利用規約に同意したものとみなします。

利用規約

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. ファミマ・お母さん食堂に異議 声上げた高校生に「慎吾ママ」生みの親がエール

  2. GoTo客受け入れ8宿泊施設で5人以上感染 10月下旬までに 情報公開請求で判明

  3. 二つの支持率が占う菅政権の今後 政権運営力低下を無情にも示すその「差し引き」

  4. 新型コロナ 本当にデタラメなのか 河野太郎行革相が批判したNHKワクチン報道を検証した

  5. #自助といわれても 気づいたら全財産103円 42歳女性が「見えない貧困」に落ちるまで

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです