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ALL FOR 2020

東京へ ともに歩む

毎日新聞

日本選手権男子200メートル平泳ぎを制した渡辺一平=東京アクアティクスセンターで2020年12月6日、宮間俊樹撮影

アスリート交差点2020

記憶に残るスイマーへ 自信胸に勝負の年へ=競泳・渡辺一平

 「2度目」となる東京オリンピックイヤーが幕を開けました。新型コロナウイルスの広がりで明日の行動も読めないですが、競技に対しては驚くほど不安なく新年を迎えました。大きな理由として昨年12月の日本選手権で自信につながるタイムを出し、勝負の今年に弾みをつけることができたからです。

     昨年4月に予定されていた日本選手権は新型コロナの影響で実施が見送られ、12月に開催されました。冬場の泳ぎ込みの時期で決して体の状態は万全ではなかったですが、メインの200メートル平泳ぎは自己ベストの日本記録まで0秒41差に迫る2分7秒08をマークして2連覇できました。

     日本選手権の1カ月前にあった日本社会人選手権は2分8秒69でした。もう少しタイムを出せるはずなのに。そう思って泳ぎを見直すとストローク(腕のかき)が小さくなっていることに気づきました。昨春以降、一時練習ができず、競技会も中止になったことで、本来の泳ぎ方を取り戻せていなかったのです。

     日本選手権では、より大きなストロークを意識して臨みました。水中練習だけでなく、コロナ下でこれまで以上に力を入れたウエートなど陸上でのトレーニングの成果も出たと感じています。1年前のこの時期に同じタイムで泳ぐことはできなかったと思います。

     気持ちの持ち方にも変化が生まれています。異例のシーズンで感覚を取り戻しながらも、負けてよいレースは一つもありません。7月の東京五輪まで、200メートル平泳ぎを実戦で試せる機会も限られています。どれだけ体がきつい状態でも、自分を奮い立たせて強い覚悟を持って臨めている点も、これまでにはなかったことでした。五輪の1年延期は自らを成長させてくれる有意義な時間になっています。

     日本選手権は五輪会場となる東京アクアティクスセンターで開かれました。残念ながら無観客でしたが、1万5000席の会場は迫力があり、とても泳ぎやすかったです。五輪本番で観客の熱気に包まれ、泳ぐ姿をイメージしました。その時が来るのが待ち遠しいです。ウオーミングアップを行うサブプールはメインと同じ水深3メートル。国内の主要大会が行われてきた東京辰巳国際水泳場のサブよりも水深が倍以上あり、アップの段階からスタートや浮き上がりなどレースを意識できるのも選手にとってありがたいことでした。

     五輪選考会まで残り3カ月となりました。年末年始は古里の大分への帰省を控えて自宅で過ごし、2日から新年の練習を始めました。実家へ戻れなかったこともあり、家族をはじめ地元で応援してくれている方々に泳ぎで元気な姿を見せたいと強く思うようになりました。この自信をさらなる強化につなげていきます。今年もよろしくお願いします。(あすは卓球・伊藤美誠です)

    わたなべ・いっぺい

     大分県出身。佐伯鶴城高3年時の2014年ユース五輪男子200メートル平泳ぎで金メダル。16年リオデジャネイロ五輪で6位入賞。17年、19年世界選手権銅メダル。トヨタ自動車所属。23歳。