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余録

老害で旧ソ連の停滞を招いたブレジネフ書記長は…

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 老害で旧ソ連の停滞を招いたブレジネフ書記長はアネクドート(風刺小話)の格好の標的だった。――その演説の聴衆にいたスパイが逮捕された。ブレジネフは摘発した軍人になぜ敵と分かったのかと尋ねた▲「はい閣下のおっしゃる『敵は眠らない』を指針としたのであります」――。ほかの聴衆は居眠りをしていたらしい。「書記長」は中国では「総書記」と訳された共産党の最高指導者だが、こんな小話で笑われては体制も長くはない▲なぜ事務方のような肩書が最高指導者になったのかと言えば、独裁者のスターリンが党組織を掌握してライバルを蹴落とすのにこのポストを用いたからである。一党独裁の政治文化が凝縮したような響きをもつそれらのポストである▲北朝鮮の朝鮮労働党は金正恩(キムジョンウン)党委員長を党総書記に選出したという。「総書記」の肩書は父親の金正日(キムジョンイル)総書記が死去して以来の復活となる。正恩氏が過去に就いた第1書記、党委員長と段違いの権威をうかがわせるのが奇妙に見える▲核ミサイル開発を進展させた正恩氏は、これで父祖の遺訓政治から脱却できるという解説も聞かれる。ただ自らも認める経済の不振、続く経済制裁という体制の苦境を思えば、その維持に父祖と並ぶ自らのオーラを求めたとも思える▲前世紀の遺物のような体制の伝統回帰ともいえる「総書記」ポストの復活である。民衆の望む明日への展望を描けない政権が、揺らぐ体制の正統性を過去に求めざるを得ないのは歴史ではさほど珍しくもない。

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