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社説

金正恩氏が党総書記に 「核」頼みで道は開けない

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 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)氏が朝鮮労働党の総書記に就任した。祖父、父と同じポストに就くことで、最高指導者としての権威を誇示する狙いがあるようだ。

 しかし、5年ぶりの党大会で目についたのは、金氏の意気込みとは裏腹の厳しい現実である。

 金氏は「国民生活の向上」を掲げて経済開発を重視してきたが、制裁が大きな障害となって成果は限定的だった。昨年はさらに新型コロナウイルスに加え、大きな水害にも見舞われた。

 金氏は開会演説で、前回大会で採択された国家経済発展5カ年戦略の目標について「ほぼすべての部門で大幅に未達だった」と認めた。無理な目標設定や旧態依然とした経済運営に問題があったと指摘した。

 スイスで教育を受け、世界情勢を知る若い指導者としての問題意識があるのかもしれない。だが提示できたのは、制裁下で生き延びるために輸入依存度を引き下げるという旧時代の「自給自足」モデルでしかない。

 党幹部の人事では対外政策担当のポストが縮小された。経済政策と合わせ、内向き姿勢が色濃い。

 金氏はトランプ米大統領と会談を重ねるトップ外交で制裁緩和を引き出そうとしたが、成果を出せなかった。そのことが背景にあるのだろう。

 バイデン米次期大統領の就任を控えた時期であるものの、対米メッセージに目新しさはなかった。次期政権の出方を見極めようとしているのではないか。対日政策にも言及しなかった。

 一方で金氏は核戦力の増強に加え、原子力潜水艦や極超音速滑空兵器を開発すると主張した。対話に応じなければ脅威を高めるという、旧来型のアピールだ。

 北朝鮮は、米国の政権移行期にミサイル発射などを繰り返してきた。だが、核・ミサイル開発が容認されることは決してない。挑発行為は自らの立場を不利にするだけだと自覚すべきである。

 バイデン氏は、同盟国との協力を重視する外交に回帰する考えを強調している。対北朝鮮政策では日米韓の連携が基本となる。金氏に付け入る隙(すき)を与えないよう、3カ国が足並みをそろえなければならない。

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