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新入幕の業師・翠富士が快進撃 親方譲りの「必殺技」秘訣は?

翠富士(奥)が肩すかしで豊山を降す=東京・両国国技館で2021年1月11日午後4時22分、幾島健太郎撮影

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 幕内の土俵に現れた新たな「業師」が快進撃を見せている。大相撲初場所で4日目を終えて3勝1敗と健闘する、新入幕の翠富士(みどりふじ、24歳)=伊勢ケ浜部屋=だ。得意技の肩すかしは、天才肌の相撲で横綱にまで上り詰めた師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)や、技巧派で名をはせた部屋付きの安治川親方(元関脇・安美錦)らも得意とした「伝家の宝刀」。2日目には実力者の豊山相手に早速、肩すかしを決めた、躍進を支える技の秘訣(ひけつ)とは。

 翠富士は静岡県焼津市出身。小学生から相撲を始め、県内の強豪・飛龍高から西の名門・近大に進学した。1年生だった2015年に全国学生相撲個人体重別選手権で優勝するなど活躍したが、翌16年に中退。同じ近大中退の経歴を持つ伊勢ケ浜親方の元に入門し、16年秋場所に初土俵を踏んだ。幕下で長く過ごしたが、20年春場所で新十両に昇進すると4場所で幕内へ駆け上がった。

 肩すかしは、差し手で相手を引きながら体を開き、もう一方の手で肩口をはたいて落とす引き技。翠富士は学生時代から得意とし、十両の土俵では昨年7月場所は2回、秋場所(9月)は1回、11月場所では4回も決まり手で披露。安治川親方から「必殺技だな」とお墨付きをもらった。11月場所では珍手のずぶねりも決め、一躍「業師」として注目を浴びた。

初場所で新入幕が決まり「番付の一番上の段に大きく名前が載ってうれしい」と話した翠富士=2020年12月24日(日本相撲協会提供)

 飛躍の理由について、翠富士は「体重が増えて、少しでも押し込めるようになったこと」と明かす。入門時から長く90キロ台だった体重では、大型力士の圧力に屈しないための最低限のパワーが不足していた。筋力トレーニングやたんぱく質中心の栄養管理で「筋肉を増やした、いい太り方」に成功。自己最重量の114キロまで増量し「立ち合いで持っていかれることがなくなった」。相手を押し込むことで、引き技も効果的に働く。小手先だけの技術に頼らず、思い切って体をぶつけることこそが技の秘訣だ。

 周囲の期待は日に日に増している。場所前には、照ノ富士や宝富士ら兄弟子が1日40~50番も胸を出してくれた。安治川親方は翠富士が特にお気に入りのようで、稽古場(けいこば)で「汗をかいていないぞ」と発破をかけるという。伊勢ケ浜親方も「俺にはまだまだかなわないな」と言いつつ、肩すかしのコツを教えてくれる。独特の柔らかさから「津軽ナマコ」の異名を取った師匠の取り口に、翠富士は「なかなか……。頭で理解はできても、実行できません」と苦笑いする。

 「自分は決して『技巧派』ではない。むしろ『相撲が大きい』と言われる」と話す翠富士。理想とするのは「(同じ小兵の)炎鵬関と照強関の間のような」力と技を併せ持った相撲だという。大関・貴景勝や、好調の阿武咲とは同学年。「今場所、当たれたらうれしいですね」とまぶしい笑顔を見せる。目標は三賞獲得。「新入幕らしく、元気な相撲を取りたい」と意気込んでいる。【黒川優】

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