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天性の歌人といわれた河野裕子の短歌の魅力を丹念に読み解いた大森静佳の『この世の息 歌人・河野裕子論』(角川書店)が刊行された。昨年の河野の没後10年を記念する出版である。著者の大森は31歳の精鋭歌人。河野のもとで歌を学んだ最後の歌人で、2010年には角川短歌賞を受賞している。
・たとへば君 ガサッと落葉すくふやうに私をさらつて行つてはくれぬか
よく知られた第1歌集『森のやうに獣のやうに』の青春歌から、64歳で亡くなった後の遺歌集『蟬声(せんせい)』まで、全15歌集の作品に、新鮮な気持ちで接し、新たな河野裕子像を探りだしている。
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