毎日新聞
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日銀は14日、全国9地域の景気情勢をまとめた1月の「地域経済報告(さくらリポート)」を公表した。北陸、四国、九州・沖縄の3地域は、製造業の輸出、生産が堅調であることなどを理由に景気の総括判断を引き上げた。一方、全国に先駆けて新型コロナウイルスの感染が再拡大した北海道は、旅行需要喚起策「GoToトラベル」の一時停止で主力の観光業が低調であることなどを理由に判断を引き下げた。
今回の判断は、年末年始にコロナ感染が急拡大する前に調査したデータが多いため、年明けに再発令された緊急事態宣言の影響は十分に反映されていない。ただ、今後は宣言の対象地域を中心に飲食や宿泊などサービス業へのマイナス影響が出るのは必至で、緊急事態宣言の対象地域がある関東甲信越では「足もとではサービス消費を中心に感染再拡大の影響がみられる」との指摘が盛り込まれた。
景気判断を据え置いたのは5地域。項目別では、「生産」が全9地域で上方修正された。全地域で判断を引き上げるのはリーマン・ショックからの回復局面だった2009年10月以来、11年3カ月ぶり。前回10月調査で好調だった自動車以外の業種にも持ち直しの動きがみられ、「休業日を全て解除して生産水準を引き上げている」(金沢・汎用(はんよう)機械)との声が聞かれた。
一方、「個人消費」は北海道、東海、中国の3地域で下方修正。「時短要請を受け、最大の稼ぎ時である忘年会、新年会需要の獲得は絶望的」(札幌・飲食)、「感染再拡大の影響で予約キャンセルが増加している」(松江・宿泊)などと嘆く声が上がった。ただ、北陸と九州・沖縄は判断を引き上げており、「高単価商品の売れ行きが伸びている」(福岡・百貨店)との声があった。
報告をとりまとめた同日の支店長会議で黒田東彦総裁は「景気は引き続き厳しい状態だが、持ち直している」との認識を示した。ただ、「改善ペースは緩やかなものにとどまる」とし、必要に応じて追加の金融緩和を検討する考えも示した。【浅川大樹】
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