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「緊急事態」も朝の風景変わらず 主要駅の通勤・通学客 近畿3府県

14日朝、JR三ノ宮駅ではマスク姿の通勤客や学生が行き交った=神戸市中央区のJR三ノ宮駅で2021年1月14日午前8時半、韓光勲撮影

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 新型コロナウイルスの感染拡大で、大阪、京都、兵庫の3府県が「緊急事態宣言」の対象地域に入った14日朝、京阪神の主要駅などでは発令前と変わらず通勤・通学する人の姿がみられた。一方で政府は「出勤者数の7割削減」を求めており、自宅などでのテレワークを選択する人も増えている。2月7日までの25日間、感染者数を抑制するための取り組みが本格化する。

「電車の中は密だった」大阪の会社員

 「人通りはいつもと変わらない。もう少し減ると思っていたのに」。14日午前8時ごろ、大阪市北区のJR大阪駅前で、近くのパン店の従業員は、やや驚いた様子だった。「前の宣言(2020年4~5月)の時は人が激減していた。今回は効果が薄いのではないか」と危惧する。

緊急事態宣言の対象地域に大阪など7府県が追加されて初めての朝、JR大阪駅前を歩く人たち=大阪市北区で2021年1月14日午前8時19分、久保玲撮影

 JR東海道線を利用した大阪府吹田市の40代の男性会社員は「いつも通り座れず、電車の中は『密』だった。京阪神でも突然、宣言が発令されて会社もうまく対応できていない」と話した。一方、JR大阪駅で清掃作業をする70代女性は「体感では1割ほど人が減った気がする。気持ちが引き締まった人もいるのかもしれない」と、宣言の効果を感じていた。

 京都市中心部の四条河原町付近では、マスクを着けた人たちが足早に会社へ向かっていた。保険会社に勤める男性(42)は「人出はいつもと同じくらい」。自身は来週以降、テレワークの頻度が3日に1回から2日に1回程度に増えるといい、「在宅勤務は気持ちの切り替えが難しいが、できる感染対策をやるしかない」と淡々と語った。

 神戸市中央区のJR三ノ宮駅でも普段通り、マスクをした会社員や学生が足早に行き交った。1時間半をかけて市内の専門学校に通う兵庫県加西市の田中幸奈さん(18)は「電車の人の多さはあまり変わらなかった」と話す。実習の授業があり登校は続くものの、週末は外出せず、1カ月前からは友人にも会っていないという。

 一方、駅前の「カフェ・サンタマリア三宮店」で働く下坂哲也さん(39)は「年配のお客さんが来なくなった」と嘆いた。客数は前年同月比で6割減。「ギスギスした雰囲気が続いているので、マスクを外せる普通の生活に早く戻ってほしい」と願った。【隈元悠太、添島香苗、韓光勲】

広がるテレワーク「社内連絡に手間」

緊急事態宣言の対象地域に追加された京都の四条大橋をマスク姿で歩く人たち=京都市で2021年1月14日午前9時5分、山崎一輝撮影

 緊急事態宣言を受け、14日からテレワークを始めた会社員も多い。JR大阪駅北側の複合施設「グランフロント大阪」にあるショールーム「パナソニックセンター大阪」の企画運営部門でもテレワークを推奨する。昨春の緊急事態宣言時以来で、ショールームの設備の不具合や来客への対応などで必要な2、3人以外は自宅などで仕事をしてもらう。女性社員(25)は「在宅勤務では上司への仕事の問い合わせに手間がかかる半面、資料作りに集中しやすい」と話した。

 大阪市内のPR会社では昨春の緊急事態宣言以降、出社の半減を掲げ、神戸市在住の社員の女性(33)は週1回のテレワークを始めた。会社は2回目の緊急事態宣言を受けて在宅勤務の割合を7割に引き上げることになり、女性のテレワークも月に2~4回ほど増えるという。「出勤の手間は省ける一方、社員間の細かな打ち合わせをする機会も減るのは手痛い」と話した。【鶴見泰寿、隈元悠太】

百貨店や外食各社も時短

緊急事態宣言の対象地域拡大を受け、営業時間短縮を知らせる紙が張られた近鉄百貨店あべのハルカス近鉄本店=大阪市阿倍野区で2021年1月14日午前9時41分、久保玲撮影

 政府が不要不急の外出自粛を要請したことを受け、関西の百貨店や外食チェーン各社は営業時間短縮などの対応を決めた。

 近鉄百貨店は14日から、あべのハルカス近鉄本店の閉店時間を30分~1時間早める。営業時間はフロアによって異なるが、午後8時には全館閉店する。

 同店ではこの日、地下食品売り場の入り口などに社員が営業時間短縮を知らせる張り紙をした。担当者は「お客様の安全確保を最優先に決めた」と説明。奈良県河合町から訪れた谷口久子さん(76)は「食料品を買いにきた。新型コロナの感染を避けるため、買い物が終わり次第、すぐに帰りたい」と話した。

 高島屋大阪店は売り場が午後7時まで、レストランフロアが同8時までと、共に1時間閉店を繰り上げる。大丸心斎橋店は同9時までだった地下2階の飲食エリアと10階のレストランフロアを同8時までとする。

 阪急百貨店も、うめだ本店、神戸阪急、高槻阪急のレストランフロアの閉店を午後8時に1~2時間早める。一方、阪神百貨店は全店でこれまで通りの営業を続ける。

飲食業への打撃は大きく

 首都圏1都3県に続き、午後8時までの短縮営業を強いられて打撃を受けるのが飲食業界だ。東京商工リサーチ関西支社によると、近畿2府4県の2020年の倒産(負債総額1000万円以上)は2063件を数えたが、業種別では飲食業が前年比4・2%増の275件と多く、全体の13%を占める。居酒屋チェーンの「串カツ田中」は8日から首都圏の全直営店を臨時休業していたが、大阪、兵庫、京都の3府県を含む直営店25店を2月7日まで休業する。担当者は「午後7時台と共に売り上げのピークの午後8時台に営業できなければ、休業した方が感染リスクを下げられる」と説明した。

 ファミリーレストラン「ガスト」や「ジョナサン」などを運営する外食大手・すかいらーくホールディングス、牛丼チェーン「吉野家」、回転ずし大手のくら寿司も、対象地域の店内飲食を午後8時までとし、以降はテークアウトなどで営業する。くら寿司の担当者は「売り上げは落ちるだろうが、要請に従う」と語る。

 一方、大阪市此花区のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」は宣言前と同様の営業を続ける。担当者は「行政からの要請など、追加施策の必要性が生じれば検討したい」と話した。【鈴木健太、杉山雄飛】

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