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第103回全国高校野球選手権

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「21世紀枠」候補校紹介

センバツ21世紀枠候補・知内 過疎の町の宝が掲げる「全員が脇役、全員が主役」

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室内練習場で練習する知内の選手たち=北海道知内町で2020年12月11日午後5時、貝塚太一撮影
室内練習場で練習する知内の選手たち=北海道知内町で2020年12月11日午後5時、貝塚太一撮影

 3月19日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する第93回選抜高校野球大会の出場校が1月29日の選考委員会で決定する。21世紀枠候補校に選出された知内(北海道)は、過疎化が進む町の期待を背負い、再び甲子園に立とうと決意を新たにしている。

 北海道南部の津軽海峡に面した知内町。校舎からは青森県の山並みも一望できる。基幹産業は稲作と漁業。海と山に囲まれた自然豊かな町だ。冬はグラウンドに雪が積もり、選手は屋内練習場で体力作りに励んでいる。

 チームは昨秋の函館地区大会で3試合中2試合をコールド勝ち。続く北海道大会は初戦を12安打でコールド勝ちすると、準々決勝は夏の甲子園で優勝経験のある駒大苫小牧に逆転勝ち。秋の大会では16年ぶりの4強入りを果たした。一方で準決勝は優勝した北海の前に3安打無得点。チームは今冬、打撃強化を課題に掲げた。

 選手自らが吉川英昭監督(44)に申し出、実際の打席をイメージしながら1日1200スイング。吉川監督は「苦しいことを乗り越え、どこに向かうべきか考えることが選手の成長につながっている」と目を細める。

町立高初のセンバツから28年

 チームは1993年、町立高校では史上初のセンバツ出場を果たした。町はセンバツ出場を受け、冬空に花火を打ち上げ、約6700人の町民がナインを後押しした。あれから28年。人口は当時の3分の2の約4200人に減り、過疎化の流れは続く。それでも野球部は「地域の宝」として町民に愛され、「あの盛り上がりを再び」と願う町民は多い。

 練習を再開した1月6日。町内をランニングする選手に町民から「頑張れ」のエールが送られた。新年恒例の「目標、目的書き」の行事では、それぞれの選手が目標とする数字や理念などを画用紙に記し、決意を固めた。

 「チームに貢献してみんなを助けたい」「勝利に貢献したい」。その言葉には「全員が脇役、全員が主役」を掲げる野球部の思いが込められている。

 川村亮太主将(2年)は「多くの先輩、地域の人々に支えられてきた。甲子園は憧れの場所。町の希望になりたい」。再び聖地へ。選手たちは真っ白な息を吐き、懸命にバットを振り続ける。【真貝恒平、三沢邦彦】

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