元慰安婦賠償判決 差し押さえの可能性が否定できない日本政府の資産とは

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日本政府に賠償を命じた元慰安婦訴訟の判決を受け、外務省を訪れる南官杓駐日韓国大使(中央)=東京都千代田区の外務省で2021年1月8日午前11時25分、加藤明子撮影
日本政府に賠償を命じた元慰安婦訴訟の判決を受け、外務省を訪れる南官杓駐日韓国大使(中央)=東京都千代田区の外務省で2021年1月8日午前11時25分、加藤明子撮影

 韓国のソウル中央地裁が日本政府に元慰安婦らへの賠償を命じた判決を巡り、自民党内からは韓国国内にある日本政府の資産が差し押さえられる事態を懸念する声が上がっている。ソウルの日本大使館オフィスや自動車は条約で差し押さえが禁じられているが、現時点で使用していない土地などが差し押さえられる可能性はゼロとは言い切れないためだ。実際に差し押さえられた場合、「国交正常化以降で最悪」とされる日韓関係はさらなる危機に直面することになる。

在外公館の差し押さえは「不可能」

 8日の判決は、主権国家は外国の訴訟で裁かれないとする国際法上の「主権免除」の原則を適用せず、日本政府に賠償を命じた。日本側は控訴は行わず、判決は23日午前0時に確定する見通し。「主権免除」により日本政府は裁かれないと主張してきた以上、控訴してしまえば、原則と矛盾してしまうためだ。

 だが、判決確定後に想定されるのが、韓国側が原告1人当たり1億ウォン(約950万円)の賠償金を確保するため、同国内にある日本政府の資産の差し押さえに踏み切る――というシナリオだ。

 韓国国内にある日本政府の資産で代表的なものは、在外公館やその備品、在外公館に関係する銀行口座の預金などだ。だが、これらを差し押さえるのは「事実上不可能」というのが日本政府の見方だ。

 そもそも「主権免除」の原則上、判決自体が国際法違反であり、この判決に沿って韓国側が差し押さえ…

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