サーロー節子さん「日本政府は背を向けるな」 核廃絶実現まで歩み止めない
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広島市出身でカナダ・トロント在住の被爆者、サーロー節子さん(89)。原爆を投下した米国に留学してから60年以上、海外で恐怖や苦痛に耐えながら体験を語り、ヒロシマの思いを訴えてきた。あの日から75年かかって核兵器禁止条約の発効にこぎ着けた今、「達成感でいっぱい」と言う。だが、核保有国だけでなく、日本など核の傘に依存する国々は条約に背を向けたままだ。核兵器の「禁止」から「廃絶」へ。命の尊厳が守られる世界が実現するまで、歩みを止めるつもりはない。【聞き手・賀有勇】
「平たんではなかった道のり」
核兵器禁止条約の発効によって核兵器が国際法上違法になり、「絶対悪」という概念が世界中に広まる。ここまで被爆から75年かかった。平たんではなかった道のりを思うと達成感でいっぱいだ。
米軍が広島に原爆を投下した1945年8月6日、13歳で女学校に通っていた私は爆心地から1・8キロ、学徒動員先の軍司令部で被爆し、9人の親族を亡くした。学童疎開で広島を離れている間に原爆で両親を失い、孤児になった子どもも多かった。孤児を支援するキリスト教会の関係者らに刺激を受け、大学卒業後の54年、社会福祉を本格的に学ぶため、米国へ留学した。
その年、南太平洋ビキニ環礁で…
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