メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

ALL FOR 2020

東京へ ともに歩む

毎日新聞

東京五輪で2大会連続のメダル獲得が期待される羽根田卓也=東京都江戸川区のカヌー・スラロームセンターで2019年10月20日、大西岳彦撮影

アスリート交差点2020

行動が夢を叶える 雪山で2度目の五輪イヤー幕開け=カヌー・羽根田卓也

 2度目の東京オリンピックイヤーは雪山に一人こもって迎えました。今年こそは勝負の年。雪山で気合を入れようと、年末年始は新潟県妙高市にあるスキーのクロスカントリーコースでトレーニングをして過ごしました。

    年末年始は新潟県妙高市でスキーのクロスカントリーのトレーニングをして過ごし、2度目の五輪イヤーを雪山で迎えた羽根田卓也=2021年1月2日(本人提供)

     クロスカントリーはトレーニングの強度が高く、カヌーの動きとも似ています。カヌーで必要とされる上半身と下半身の筋力をバランスよく鍛えるのが狙いです。クロスカントリーは高校卒業後から活動拠点にするスロバキアでも取り組んできましたが、妙高のコースはここ数年、雪不足の影響などもあってトレーニングのために訪れたのは5年ぶりぐらいだったでしょうか。アップダウンのある雪山を午前、午後15キロずつ走り、久しぶりにハードなトレーニングができました。

     昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で国際大会の中止や延期が相次ぎ、実戦の場でカヌーをこぐことがほとんどできませんでした。大会に参加できなければ、選手のパフォーマンスにも影響します。試合前日の過ごし方や心構え、緊張感は練習では培えないものです。本来は大事な大会に向けて試合をこなしながら照準を合わせて臨むのですが、それができる環境にはありませんでした。

     ようやく10月に欧州のワールドカップ(W杯)など2試合に参戦しましたが、約8カ月ぶりの試合とあって、試合に向けての気持ちの高め方を忘れたり、いつもと違う変な緊張感を味わったりしました。欧州は感染拡大が続いていたため、感染リスクを考えて出場予定だったその後のW杯はキャンセルして帰国しましたが、普段味わえない経験ができたことはプラスに捉えています。

     欧州にいるミラン・クバン・コーチも新型コロナの影響でなかなか日本に来ることができませんでしたが、11月にようやく来日できました。約2カ月の滞在でしたが、久しぶりに五輪会場のある東京で一緒にトレーニングできたことは大きかったです。自国開催の地の利を生かすため、五輪期間中の食事や休憩の仕方、渋滞の可能性などを考慮しての移動など、本番を想定した準備ができました。

     毎年2~3月はオーストラリアで長期合宿を行っていましたが、今年は海外での合宿は難しく、国内で調整を続けることになりそうです。4月ごろまでは国内でトレーニングを続け、その後は欧州の大会を踏まえて今夏の本番に臨みたいと考えています。

     しかし、世界的にも新型コロナの感染拡大は続いており、収束の見通しは立っていません。実戦がないまま本番に突入する可能性も視野に入れる必要があります。これまでの五輪前のように試合を重ねながら良いパフォーマンスを作り上げることが難しいため、練習の中で万全に近い雰囲気作りができるかが勝負の鍵になると思っています。(あすは陸上・山県亮太です)

    はねだ・たくや

     愛知県豊田市出身。高校卒業後からスロバキアを拠点とし、2016年リオデジャネイロ五輪ではスラローム男子カナディアンシングルで日本初の銅メダル。趣味は自粛期間中に始めた茶道。33歳。