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(岩波新書・880円)
ひさしぶりに本棚の奥からこの本を取り出して開いたら、映画「気狂いピエロ」の半券が挟まっていた。なつかしい!
はじめて読んだのは20歳の夏だった。アルバイト先の先輩から強くすすめられたのだ。徹夜して読んで、こういう考え方があるのかと驚いた。ものの見方が変わる快感で嬉(うれ)しくなると同時に、世の中のひどさに気づいて腹が立った。
難しい経済学の話も出てくるが、書かれていることはシンプルだ。自動車に必要な費用は車両代とガソリン代だけではない。道路を作って維持するのにもお金がかかっているし、交通事故や大気汚染などの公害、環境破壊などで失われるものも多い。ところがそれらの費用のほとんどは、自動車の持ち主ではなく第三者が負担している。大雑把(おおざっぱ)にいうと、こういうことだ。
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