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「面白い!読ませる!」と好評の読書欄。魅力ある評者が次々と登場し、独自に選んだ本をたっぷりの分量で紹介。

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今週の本棚・なつかしい一冊

永江朗・選 『自動車の社会的費用』=宇沢弘文・著

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イラスト・寄藤文平
イラスト・寄藤文平

 (岩波新書・880円)

 ひさしぶりに本棚の奥からこの本を取り出して開いたら、映画「気狂いピエロ」の半券が挟まっていた。なつかしい!

 はじめて読んだのは20歳の夏だった。アルバイト先の先輩から強くすすめられたのだ。徹夜して読んで、こういう考え方があるのかと驚いた。ものの見方が変わる快感で嬉(うれ)しくなると同時に、世の中のひどさに気づいて腹が立った。

 難しい経済学の話も出てくるが、書かれていることはシンプルだ。自動車に必要な費用は車両代とガソリン代だけではない。道路を作って維持するのにもお金がかかっているし、交通事故や大気汚染などの公害、環境破壊などで失われるものも多い。ところがそれらの費用のほとんどは、自動車の持ち主ではなく第三者が負担している。大雑把(おおざっぱ)にいうと、こういうことだ。

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