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(左右社・1870円)
「少女マンガのヒロインにはなぜブサイクがいないの?」という身もふたもない学生の問いに、マンガ研究家の著者はこう説く。「少女マンガって美男美女だけの世界じゃないんだよ」。そして「ブサイク女子」が主役を張る26作品を考察する。
これは少女マンガを題材に、外見で評価するルッキズムの風潮に深く斬り込んだエッセー集である。
キラキラ恋愛だけが少女マンガではない。ヒロイン像は多様性に富んでいる。安野モヨコ『脂肪と言う名の服を着て[完全版]』。タイトルからして強烈。主人公はストレスを感じるとドカ食いする。食べて全てを解決する。やがて過激なダイエットをし、食べ吐きを繰り返す。恋人にも捨てられる。痩せる=キレイになる、ではない残酷な物語。自分を愛せず、他人の価値観に捕捉される悲劇を人ごとだと突き放せる人は少ないはずだ。「超…
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