安野光雅さん死去 画家、94歳 「ABCの本」不思議で細密な絵本・風景画
毎日新聞
2021/1/16 13:27(最終更新 1/16 19:28)
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示唆に富んだだまし絵のような絵本で親しまれ、叙情的な風景画、古典文学の絵画化にも取り組んだ画家で文化功労者の安野光雅(あんの・みつまさ)さんが昨年12月24日、肝硬変のため死去した。94歳。葬儀は近親者で営んだ。
島根県津和野町生まれ。13歳まで同地で過ごし、豊かな自然と教師に恵まれて画家を志す。第二次大戦で召集され船舶兵となるが、4カ月後に終戦。戦後は小学校代用教員などを経て、1950年に上京した。東京でも小学校の図工教員を務める傍ら、絵画の個展も開催。また実験的な授業が美術教育界で話題となり、教科書編集やテレビ出演の仕事も増加した。
68年、福音館書店の編集長(当時)、松居直さんのすすめで最初の絵本「ふしぎなえ」を出版。不思議な位相空間を軽やかに描き、文章なしで成立させた手法が高く評価され、海外の出版賞も数多く受けた。74年「ABCの本」は、芸術選奨文部大臣新人賞に輝いた。
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