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安倍氏の「桜」前夜祭 国会の場で疑惑の解明を

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 「桜を見る会」前夜祭の費用補塡(ほてん)問題について、疑念は解消されていない。

 安倍晋三前首相は記者会見や国会で、知らないところで秘書が補塡していたと述べた。しかし、到底納得できるものではない。

 あすから始まる国会で、疑惑を解明する必要がある。

 安倍氏を不起訴とした東京地検の処分には、市民団体が検察審査会に審査を申し立てている。

 地検は、政治資金収支報告書への不記載に関与した証拠は見つからなかったなどと説明している。ただ、事務所の捜索といった強制捜査は行っていない。

 捜査は十分に尽くされたか、処分の判断に問題はないか、市民の視点でチェックする必要がある。

 毎日新聞の世論調査でも、安倍氏の説明を「信じられない」と答えた人が67%に上っている。

 前夜祭は、桜を見る会に招待した支援者を集め、高級ホテルで開いた宴会だった。会費を超える分は、利益供与の疑いがある。

 これについて安倍氏は、補塡分は会場費等であり、有権者への寄付ではなく、公職選挙法違反には当たらないと強調した。

 それを証明するには、ホテル発行の明細書を示し、費用の内訳を明らかにしなければならない。

 補塡の原資にも疑問が残る。安倍氏は、私的な支払いのため事務所に預けた自己資金の中から、秘書が支出したと説明している。

 だが、一昨年までの4年間で約700万円にも上るのに、秘書が独断で支出したというのは不自然だ。ホテルが出した領収書の宛名は、主催した後援会ではなく、安倍氏の資金管理団体とされる。

 直近3年分の政治資金収支報告書は修正されたが、補塡分の「収入」に関する記載はない。

 収支報告書に前夜祭の収支を記載してこなかった経緯も不明のままだ。不記載が始まった当時の担当者に説明を拒まれたというが、それでは通用しない。

 にもかかわらず、安倍氏は「説明責任を果たせた」と語った。野党から改めて、明細書や領収書の提示を求められても、拒否している。極めて不誠実な対応だ。

 国会では「虚偽答弁」が繰り返された。真相が究明されないまま幕引きとすることは許されない。

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