北アイルランドは英国を離れアイルランド統一へ向かうのか EU離脱後を探る

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北アイルランド第2の都市ロンドンデリー付近の国境周辺。国境に検問などはない。手前側が北アイルランドで、右奥がアイルランドのドニゴール州マフ=2019年7月2日、服部正法撮影
北アイルランド第2の都市ロンドンデリー付近の国境周辺。国境に検問などはない。手前側が北アイルランドで、右奥がアイルランドのドニゴール州マフ=2019年7月2日、服部正法撮影

 英国が欧州連合(EU)から離脱するブレグジットが2020年末に完全終結し、英領北アイルランドは、離脱後もEUの関税ルールが適用される英国内の「特区」のような扱いとなり、首都ロンドンなどがあるグレートブリテン島との間で通関業務が実施されることとなった。この「障壁」が生じたことで、北アイルランドは英連合王国としての一体感を弱め、地続きのアイルランドとのつながりをより深める可能性が指摘されている。北アイルランドの今と未来を探った。

 地元紙ベルファスト・テレグラフなどによると、北アイルランドでは、EUからの離脱移行期間が終了した昨年末以降、一時的に一部のスーパーで生鮮食品などが品不足となった。

 英国とEUとの離脱協定では、北アイルランドには離脱後もEUの関税ルールを適用し、北アイルランドとグレートブリテン島の間で通関業務を行うことで合意している。今回の品不足は、移行期間終了と同時に、グレートブリテン島から北アイルランドへのモノの移動に書類の提出などの事務手続きが新たに発生したことに伴い、流通が滞ったことが原因とみられる。

 1~3月の間は手続きの一部が免除されているが、それでも混乱が起きたため、英大手スーパーチェーン数社は、4月以降、今回よりも深刻な品不足が発生する可能性があるとして、書簡で政府に窮状を訴えた。

 北アイルランドが「特区」的な扱いとなった背景には、過去に英国の統治継続を望むプロテスタント住民とアイルランドへの併合を願うカトリック住民が対立し、紛争(1968~98年)に発展した歴…

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