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阪神大震災

1995年1月17日に発生した阪神大震災。戦後初の大都市直下型地震が残した教訓・課題は今――。

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炎の中から兄の叫び 阪神大震災 4児の母「つらいけど、忘れたくない」

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被災した自宅跡の前で、当時の体験を次男の想真ちゃん(左)と次女の心愛ちゃん(右)に語りかける茂森美香さん=神戸市兵庫区で2021年1月17日、山田尚弘撮影
被災した自宅跡の前で、当時の体験を次男の想真ちゃん(左)と次女の心愛ちゃん(右)に語りかける茂森美香さん=神戸市兵庫区で2021年1月17日、山田尚弘撮影

 どんな時も優しかった9歳の兄は炎の中で声を上げながら亡くなった。1995年1月17日に起きた阪神大震災。神戸市兵庫区にあった自宅で被災した茂森美香さん(34)=大阪府守口市=は当時8歳だった。何もできず、ただその声を聞いていた。26年がたち、2~18歳の4児の母になった。「兄のこと、震災のことはつらい記憶。忘れたいけど、やっぱり忘れたくない」。17日昼、その場所を訪れ、そっと手を合わせた。

 あの日、住んでいた6階建てマンションは横倒しになった。6階の自宅で並んで寝ていた母の坂本和子さん(2015年に58歳で死去)と兄篤弥人(すみと)さんが和だんすの下敷きになった。窓側にいた茂森さんは奇跡的に無傷で、真ん中に寝ていた和子さんも近所の人に助け出された。だが、一番奥にいた篤弥人さんが取り残された。火の手が迫っていた。

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