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奇跡の傍らで

出産のリアルを描いた人気漫画「コウノドリ」のモデル、荻田和秀医師が命が誕生する現場からの思いをつづります。

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奇跡の傍らで

常在菌の役割にも理解を 体守るバリアーの役目も=荻田和秀・りんくう総合医療センター産科医

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 明けましておめでとうございます。2020年は新型コロナウイルスに振り回された年でした。ただその感染予防のために衛生意識が進化した年だったとも言えます。手洗いやマスク着用など、普段以上に気を配っているからか、インフルエンザの感染が桁違いに少なくなっています。災い転じて福となす、と言えなくもないかもしれません。たしかに僕は職業柄1日に50回以上消毒用せっけんで手を洗い、アルコールジェルを使います。おかげで手はガサガサになり、ところどころ切れてアルコールジェルをつけるたびにしみて涙が出ますが、これは野球選手の手がマメだらけなのと一緒だと思って我慢しています。

 ところで、ぬか漬けって家によって微妙に味が違いますよね。ぬか漬け特有の酸っぱい味は野菜などについている乳酸菌による発酵で生まれますが、ぬか床がこなれてくると手入れをする人の手についている菌が優位になってきます。実は皮膚や腸、のどなど体のあちこちには常在菌と呼ばれる病原性のない菌がすんでおり、乳酸桿菌(かんきん)もその一つです。菌の成分は人によって微妙に違うため、味が変わってくるのです。

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