映画「この世界の片隅に」片渕須直監督 「パリ不戦条約の失敗、繰り返すな」
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1月22日に発効する核兵器禁止条約について、アニメーション映画「この世界の片隅に」を監督した片渕須直さん(60)は歓迎する一方、核保有国が背を向けている状況に警鐘を鳴らす。1929年に発効したパリ不戦条約が戦争放棄を規定しながら、第二次世界大戦の勃発を防ぎきれなかったからだ。その失敗を踏まえ、核兵器禁止条約を骨抜きにしないためには「痛ましさの共有」が必要だと説く。【聞き手・小山美砂】
核保有国が参加していない核兵器禁止条約は、発効しても綱渡り的な状況にあります。実効性を高めるために、過去の失敗に立ち返る必要があるでしょう。
パリ不戦条約は、立ち返るべき過去と言えます。日米を含む63カ国が締結した背景には、欧州全土に戦火が広がった1914~18年の第一次世界大戦がありました。
850万人以上が犠牲になった第一次世界大戦は、化学兵器が登場した戦争として知られています。致死性の高い毒ガスが使用され、後障害に苦しむ多くの被害者を出しました。この反省から、パリ不戦条約は平和的手段による国際紛争の解決を規定し、自衛戦争を除く一切の武力行使を禁止しました。ところが、理念的な条約で各国の足並みがそろわず、第二次世界大戦へと向かいます。
なぜ、パリ不戦条約は骨抜きにされたのか。…
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