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作家、半藤一利さん(90)の訃報に触れ、著書「B面昭和史」を手に取った。なぜ日本は戦争に向かったのかを、政治や軍事などの表舞台の「A面」ではなく「B面」、つまり人々の暮らしからつづった「もう一つの昭和史」だ。
<決して時流や風潮に流されているつもりはなくて、いつか流されていた>。この一節を読むたび、「流されてないか」と自問する。
「B面昭和史」を執筆中だった2015年春、半藤さんは言っていた。「最初は政治家が世論を、戦争へと先導した。しかし『戦地』や『銃後』という言葉のもと、協調しない者を『非国民』と呼ぶ閉鎖的な同調社会ができ、排外的な国家主義が高まった。途中からはむしろ、国民的熱狂が政治家を戦争へと駆り立てたんです」
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