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環境行政50年=環境省初代大臣・川口順子氏

環境省初代大臣を務めた川口順子・武蔵野大客員教授=宮本明登撮影
環境省初代大臣を務めた川口順子・武蔵野大客員教授=宮本明登撮影

 今年は、環境庁==が発足して50年になる。公害対策に一元的に対応するために生まれた官庁だが、今や地球環境問題や原子力規制なども加わり、担当する分野が広がっている。2001年に環境省になった際、初代大臣を務めた川口順子・武蔵野大客員教授(80)に、環境行政に求められる役割を聞いた。【聞き手・永山悦子、写真・宮本明登】

日本全体を動かせ

――00年に環境庁長官に就任し、庁から省へ変わる時期のトップでした。

 長官になったときは、全庁で1000人ほどしか職員がいない小さな組織でした。それでも公害対策、国立公園、地球環境問題と幅広い仕事をしていました。他省庁で大臣に説明するのはもっぱら局長ですが、環境庁の職員は少数かつ忙しく、大臣室に若い課長補佐たちが飛び込んでくることもあり、逆に躍動感を感じました。

 環境庁は、従来はないがしろにされがちだった「公害対策」や「環境保護」という課題に光を当てるために生まれた官庁だと思います。省庁再編では、省庁の数を減らす改革の中で、環境庁は省へ格上げされました。それも防衛庁が省になるよりも前です。当時、人々や社会の「生存」にかかわる問題をまとめて担う環境行政の重要性を正当に評価した政治家には、高い識見があったといえます。

――省になって変わったことは。

 気候変動など地球環境問題や生物多様性など、地球の「根幹」にかかわる問題に真正面から取り組む足場ができたと思います。中でも印象に残っているのが、01年にモロッコで開かれた温暖化対策を進める京都議定書の具体的なルールを作る国際交渉です。徹夜続きの中で取りまとめに成功したことは、環境省の職員たちの士気を一段と高めることになりました。

――その後も予算や要員確保の苦労は続き、「弱小官庁」とも言われます。政治家の関心も高いとは言えません。

 政治家は「(環境問題を)特別にサポートすべき問題」という認識から「あらゆる課題にかかわるもの」ととらえるようになっています。以前は、環境と経済が対立する構図で見られることもありましたが、今は…

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