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未来を生きる君たちへ

「ウメサオタダオの時代から未来を見る」をテーマに、山極寿一京大前学長が開いた特別授業を再現する。

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山極寿一氏の特別授業/2 人間とは、社会とは何か 今西錦司・伊谷純一郎 霊長類学をリード /京都

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今西錦司(画面中央)、梅棹忠夫(同右)、伊谷純一郎(同左)の写真を示しながら説明する京都大の山極寿一前学長=京都市左京区の府立洛北高で、小田中大撮影
今西錦司(画面中央)、梅棹忠夫(同右)、伊谷純一郎(同左)の写真を示しながら説明する京都大の山極寿一前学長=京都市左京区の府立洛北高で、小田中大撮影

 20世紀はすごく不思議な時代でした。19世紀にダーウィンが進化論を出し、著書「種の起源」「人間の由来」で「人間も進化の産物である」と言いました。だけど、人間を動物と同格に論じて良いのかという風潮も欧米で広がり、人文・社会科学と自然科学が二極化することになりました。

 そこに割って入ったのは、今西錦司さんの「生物社会学」です。「言葉」は人間社会が作ったけれど、「人間性」は言葉以前にできたもので、動物と社会には連続性がある、全ての生物は社会を持つ、と捉える考え方です。その中で「人間とは何か」「社会とは何か」「文化とは何か」という設問があります。

 今西さんは1948年12月3日、宮崎・都井岬で弟子の伊谷純一郎さんらと猿の研究を始め、この日は「日本霊長類学誕生の日」と言われています。伊谷さんは猿が立派な社会を持ち、人間顔負けの構造を持つことを発表しました。私は、今西さんから伊谷さんに流れる研究の世界に身を投じ、40年間過ごしてきました。

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