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医療体制の逼迫 崩壊防止は政治の責任だ

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 新型コロナウイルスの感染拡大「第3波」で、医療体制が逼迫(ひっぱく)の度を増している。

 病床使用率が6~7割に達し、入院先が決まらないなどの理由で自宅療養していた患者が亡くなる例も相次いでいる。

 第3波では東京都や大阪府で想定していた入院患者数を上回ったが、病床確保計画を見直してこなかった。医師や看護師を応援派遣する仕組みの構築も遅れた。

 冬場はもともと感染拡大が懸念されていた。しかし、経済との両立を強調するあまり対策の強化が後手に回り、入院患者が増えた。

 こうした事態を招いた政府の責任は重い。

 民間病院は全体の7割を占めるが、コロナ患者の受け入れが進んでいない。体制を強化するため、今ある医療資源の有効活用を図らなければならない。

 感染対策を徹底しやすいよう、地域の病院でコロナ患者と一般患者の診療を分担することが重要だ。大学、公立、民間などの病院で横の連携が進むよう、政府が主導すべきだ。

 都市部では、東京都のように公立病院をコロナ対応の拠点病院にすることも選択肢だろう。その際は、新たな受診先を探すコロナ以外の患者へのきめ細かな支援が肝心だ。

 中等症のコロナ患者の受け入れ先を増やすため、重症化した場合にスムーズに転院できる仕組みが求められる。

 自宅や宿泊施設で療養する人の容体急変に備える体制の強化も欠かせない。自治体は、血中の酸素濃度を測る機器の貸し出しなど万全を期してほしい。

 政府は感染症法を改正し、知事らが医療機関にコロナ患者の受け入れを勧告できるようにする方針だ。従わない場合は機関名を公表可能にするという。

 だが、政府は医療機関から協力を得られる環境の整備にどこまで努めてきただろうか。強制的な手段に頼ろうとする姿勢には、疑問が残る。

 英国で見つかった変異株が国内で市中感染したとみられる例が確認され、感染者の急増につながる恐れもある。救える命が救えない医療崩壊を防ぐため、政府はあらゆる手立てを尽くすべきだ。

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