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経済記者「一線リポート」

最前線で取材を続ける毎日新聞経済部記者が交代で執筆します。

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「GoTo推進、感染増えたら犯人扱い」 ススキノ、気力奪われ

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手紙には「閉店は納得がいかない」と無念さがつづられていた=2021年1月11日、藤渕志保撮影
手紙には「閉店は納得がいかない」と無念さがつづられていた=2021年1月11日、藤渕志保撮影

 「店をたたみました。まだ納得がいっていないし、こんな報告をすることになって残念です」。なぜか、毎年やりとりする年賀状ではなく封書が届いた正月。恐れていたことが現実になった。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、北海道報道部時代に通っていた飲食店が昨年末に閉店した。大皿の煮物や副菜、干物などが常時7、8種類並び、好きなものを少量ずつよそってもらう小料理屋だ。私にとっては、滋味豊かな料理で気持ちを立て直す場所。札幌一の繁華街ススキノにありながら、こぢんまりとした温かいこの店が大好きだった。

 観光客や大人数の宴会頼みの店ではないので、新型コロナが北海道で猛威を振るった時も当初は客足の大きな落ち込みを感じていなかったそうだ。それでも常連客が1人、2人と姿を見せなくなり、じわじわと経営環境が悪化。感染者が急増した秋以降、客がゼロという日も続くようになり、誰にも食べられない料理を丸ごと捨てることに耐えられなくなったという。

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