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「グリーン社会の実現」を掲げる菅義偉政権のもとで、自民党内の「脱原発派」が存在感を高めている。昨年末には首相に近い若手議員が「原発のない国へ」と銘打った書籍を出版。有力閣僚の河野太郎行革相も脱原発を後押しする構えで、党内「少数派」から変容しつつある。【政治部・田辺佑介】
菅首相は1月18日の施政方針演説で、2050年までの温室効果ガス排出量の実質ゼロに向け、35年までに新車販売で電動車100%を実現すると表明。「成長戦略の柱に経済と環境の好循環を掲げて、グリーン社会の実現に最大限注力する」とし、「積極的に温暖化対策を行うことが大きな成長につながる」と訴えた。
首相を支持する自民党の無派閥若手グループの一員で、元国交政務官の秋本真利衆院議員(当選3回)は昨年12月、「自民党発!『原発のない国へ』宣言」を出版した。
原発新設や核燃料サイクルに反対を明言し、国会で原子力政策を批判する質問をした後、党幹部から圧力を受けた経験などを赤裸々に記している。核燃料サイクルの破綻など原発の限界を指摘した上で、再エネの経済的合理性を訴える内容だ。原発を推進してきた自民党の現職議員による出版ということで関心を集め、多くの問い合わせや取材があるという。
また、秋本氏が事務局長を務める自民党の再生可能エネルギー普及拡大議連(再エネ議連、会長・柴山昌彦元文部科学相、約100人)は12月25日、30年の再エネ比率を45%以上とする提言を加藤勝信官房長官に提出した。原発について直接の言及はないが、秋本氏は、原子力も含む非化石電源のほとんどを再エネにすることで、実質的に脱原発を促すという思いを込めたという。
党内の脱原発の先駆者とされ、再エネ議連の顧問も務める河野太郎規制改革担当相は現在、閣僚の立場にあるため持論を封印しているが、脱原発の姿勢をにじませる。12月10日には小泉進次郎環境相と記者会見し、全省庁に対して電力調達における再生可能エネルギーの比率を3割以上とするよう要請。同25日にあった日本記者クラブの記者会見では、原発新設について「コストを考えたら、電力会社としては取り得る選択肢にならないのではないか」と指摘した。自身のもとにタスクフォースを設置し、風力発電や太陽光発電などに関する規制改革に取り組んでいる。
秋本氏によると、こうした動きの背景には、…
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