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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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地震予測の信頼性、東京高裁は厳格評価 原発事故訴訟、国の責任見通せず避難者怒り

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東京電力福島第1原発事故の避難者らが東電に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決後、「不当判決」などと書かれた幕を掲げる原告の弁護士=東京都千代田区で2021年1月21日午後2時15分、大西岳彦撮影
東京電力福島第1原発事故の避難者らが東電に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決後、「不当判決」などと書かれた幕を掲げる原告の弁護士=東京都千代田区で2021年1月21日午後2時15分、大西岳彦撮影

 国の責任が争われた東京電力福島第1原発事故の避難者訴訟で2例目の控訴審判決となった21日の東京高裁判決は、「国の責任は認められない」と結論付け、1例目と司法判断が割れた。訴訟の行方は見通せなくなり、避難者らからは戸惑いと怒りの声が上がる。【遠山和宏、近松仁太郎】

推本「長期評価」への異論重視 予見可能性認めず

 原発事故の賠償責任について、一連の同種訴訟の先例判断となった2020年9月の仙台高裁判決は、高裁として国の責任を初めて認めた。今回の訴訟の控訴審も、国の責任の有無が最大の争点だったが、政府の地震調査研究推進本部(推本)が出した地震予測「長期評価」への評価の違いが、結論を分けた。

 推本は02年7月に長期評価を公表し、福島沖を含む日本海溝でマグニチュード(M)8級の地震が起きる可能性があると指摘した。住民側は、この長期評価に基づいて国が津波の試算をしていれば事故は防げたと訴えていた。

 仙台高裁は、住民側の主張に「満額回答」した。推本は国が自ら地震に関する調査のために設置しており、多数の専門学者が参加した機関だとした。このため、長期評価は、個々の学者や民間団体の一見解とは格段に異なる重要な見解だとし、「相当程度に客観的かつ合理的根拠を有する科学的知見であったことは動かしがたい」として、国が津波を予見できたとする最大の根拠に据えた。

 これに対して東京高裁は、仙台高裁より掘り下げ…

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