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日本文化をハザマで考える

日本文学研究家のダミアン・フラナガンさんが、日英の「ハザマ」で日本文化について考えます。

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第31回 日本史におけるパンデミックの影響を再考する

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欧州で黒死病が流行した時代の「ペスト医者」
欧州で黒死病が流行した時代の「ペスト医者」

 新型コロナウイルスの大流行(パンデミック)が始まったころ、日本のコロナ対応についての報告を読んだ。そして、ヨーロッパと比べて、日本ではどうしてコロナによる死者がこれほど少ないのだろうと考えていた時、これまで気が付かなかった、非常に重大な歴史的事実を発見し、驚いた。

 明治になって国を本格的に開くまで、日本ではペストが流行した歴史が確認されていないというのだ。そのため、日本語の「ペスト」はドイツ語で伝染病を意味する「Pest」から来ているそうだ。

 私は日本の歴史を何度も読んできた。それなのに、1330年代から1350年代にかけ、英国から中国まで大流行した黒死病(ペスト)が、日本の歴史には現れないというのは奇妙だ、ということについぞ気が付かなかった。

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