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本当にデタラメなのか 河野太郎行革相が批判したNHKワクチン報道を検証した

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第204通常国会が召集され、衆院本会議に臨む菅義偉首相(右)と河野太郎行政改革担当相=国会内で2021年1月18日、竹内幹撮影
第204通常国会が召集され、衆院本会議に臨む菅義偉首相(右)と河野太郎行政改革担当相=国会内で2021年1月18日、竹内幹撮影

 <うあー、NHK、勝手にワクチン接種のスケジュールを作らないでくれ。デタラメだぞ>。気になるワクチン接種の時期をめぐるNHKの報道を、ワクチン接種を担当する河野太郎行政改革担当相が「デタラメ」だとツイートした。担当大臣の否定である。ネット交流サービス(SNS)上ではNHKへの批判が噴出。ところが、厚生労働省の公表資料に類似スケジュールが出ていたことから、河野氏への批判も出ている。NHKの報道は本当にデタラメなのか。【井川加菜美/東京地方部】

 河野氏とNHKには因縁がある。NHKは昨年5月6日、防衛省が陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の秋田市内への配備を事実上断念したと報じた。ところが、当時、防衛相だった河野氏は翌7日に「フェイクニュース。朝からフェイクニュースだと伝えているのに、夜のニュースでも平気で流す。先方にも失礼だ」とツイートした。この時もNHK批判が相次いだが、その後、事態は次第にNHKの報じた方向に傾き、河野氏は6月15日に自ら配備停止を表明している。

 今回、河野氏が問題にしたNHKのワクチン報道は20日朝の「おはよう日本」の中で、「早ければ5月ごろから一般の人への接種を開始する案も出ている」と伝えたこととみられている。この部分は午前6時4分と午前7時7分の2回、全く同じ内容が放送されていた。河野氏の「デタラメ」ツイートは2回目の放送直後の午前7時8分。反射的にツイートした可能性がある。

 このツイートは9万回以上リツイートされ、23万の「いいね」がついている。リプライ(返信)にはNHK批判と河野氏批判がせめぎ合っている。

 <えぇ…国民から受信料徴収して間違った情報流してるんですかNHKは…>

 <受信料徴収してる『公共放送』 大臣がTwitterで情報発信しなければデタラメだと気付けず情報混乱しますよね…>

 一方で河野氏への批判はこうだ。

 <きちんと厚生労働省の発表を踏まえての報道です。ご自身が厚生労働省の発表を把握していなかったからのご発言ではないでしょうか。しっかり各省庁の動向を把握された上で、公人としてデラタメ発言はデタラメでしたと謝罪するか、Twitterをお取り消しされた方がよいと思います>

 立憲民主党の原口一博副代表も、河野氏のツイートと厚労省の資料を引用する形でこう指摘した。<厚労省で進めてきたスケジュールではないの? 誰の説明を信じて計画を練ればいいのか?SNSで反射的な反応するのは控えた方が良いと思う。(もし河野さんの思い描いているスケジュールが正しいとしても)>

 この資料は厚労省の公式サイトに出ていた。それによると、厚労省は昨年12月18日と今年1月15日に自治体向け説明会を開いて示したものだった。1月15日の説明会では、「新型コロナウイルスワクチンの接種体制の構築について」と書かれた資料の15ページにNHKの番組内で示されたフリップとほぼ同じ内容が「新型コロナワクチンの接種体制の構築(スケジュールのイメージ)」として記されている。

 異なるのは、一…

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