中国が海警法制定で狙う「新たな国際秩序」の形成 日米は強く警戒

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中国の全人代常務委員会の会議=北京で20日、新華社・共同
中国の全人代常務委員会の会議=北京で20日、新華社・共同

 中国海警局の船は機関砲を備えるなど既に重装備化が進み、軍とも一体的に活動する。22日に成立した「海警法」は、これまでブラックボックス状態だった武器使用規定や具体的な権限の法的な根拠を明らかにしたと言える。そこから透けて見えるのは、独自の基準を国内外に示し、新たな国際秩序を生み出そうとする戦略だ。

 中国は近年、他国との権益争いで「法律を武器」とする姿勢を鮮明にする。習近平国家主席は2020年11月の演説で「対外問題に関わる法整備を加速し、立法、法執行、司法の手段で闘争し、国家主権や核心的利益を守る」と述べた。

 これに対し、米国の国務長官候補であるブリンケン氏は19日の上院公聴会で「世界を主導する国として、規範や基準を定め、他国が従うモデルを示そうとする姿勢を明確にしている」と警戒心をあらわにした。

 確かに海警法を見ると、中国が海洋進出の現場で見せる強硬姿勢を、法律の形で既成事実化させようとする内容が目につく。

 海警法はその職責の筆頭に「国家主権、安全、海洋権益の危害を排除する」と、安全保障面の役割を置いた。軍組織が海上法執行を担う国は、中国だけでないが、海警法の記述は国防と法執行の線引きが不明瞭だ。

 海警局などの船は東シナ海や南シナ海で、武力行使に至らない「グレーゾーン」で軍とも連動して他国に圧力をかけているが、海警法はこうした戦術に「お墨付き」を与えたと言える。

 権限の範囲を「管轄海域」と特異な表現にした…

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