盲導犬クエル引退 誰もが暮らしやすい社会へ、中部さんと「2人6脚」の旅重ね

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病気で引退した盲導犬クエルと、使用者の中部秀樹さん。クエルの引退式で久しぶりに再会した=神戸市西区押部谷の兵庫盲導犬協会で2020年11月22日午後1時59分、稲田佳代撮影
病気で引退した盲導犬クエルと、使用者の中部秀樹さん。クエルの引退式で久しぶりに再会した=神戸市西区押部谷の兵庫盲導犬協会で2020年11月22日午後1時59分、稲田佳代撮影

 2020年9月、1頭の盲導犬が病気のため引退を迎えた。今年1月31日に7歳で死んだ雄のクエル号。全国で活動する約900頭の中でも、旅を重ねた数がずば抜けて多い盲導犬かもしれない。使用者だった中部(なかべ)秀樹さん(50)=堺市=に付き添い、北海道から沖縄まで12都道府県を訪れた。マッサージ師で、暗闇を体験する施設の案内人も務める中部さんに同行して地方のイベントへ出張したり、観光地を歩いて改善点を探る研修に協力したりと、視覚障害者が暮らしやすい社会づくりに貢献した4年半だった。

 中部さんは00年に難病の網膜色素変性症を発症。視力をほぼ失った10年、当時住んでいた神戸市にある「兵庫盲導犬協会」に盲導犬の貸与を依頼した。初代のビクトリー(10~14年)、2代目のフィオナ(14~16年)に続く3頭目として16年に出会ったのがクエルだ。13年生まれのクエルは同協会で育てられ、中部さんが2人目のパートナーだった。

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