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ファミマ・お母さん食堂に異議 声上げた高校生に「慎吾ママ」生みの親がエール

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香取慎吾さんがキャラクターを務める「お母さん食堂」=ファミリーマートの公式サイトより
香取慎吾さんがキャラクターを務める「お母さん食堂」=ファミリーマートの公式サイトより

 「料理=母親」という意識を助長するとして、ファミリーマートの総菜シリーズ「お母さん食堂」の名称変更を求め、女子高生がネット上で行った署名運動が昨年末、話題になった。「お母さん食堂」のイメージキャラクターを務めるのは、人気グループSMAPの元メンバー、香取慎吾さん(43)。かっぽう着姿のそのキャラクターは、2000年に「おっはー」で流行語大賞まで受賞した人気キャラクター「慎吾ママ」を思い起こさせる。慎吾ママの生みの親である放送作家のたむらようこさん(50)に今回の署名活動について話を聞いたところ、慎吾ママの誕生に込めた当時の思いを語ってくれた。【大沢瑞季】

慎吾ママに込めた思い

 慎吾ママは、1998~02年にフジテレビ系で放送されたバラエティー番組「サタ☆スマ」の一コーナー「慎吾ママのこっそり朝御飯(あさごはん)」から生まれたキャラクター。かつらにエプロン姿の慎吾ママが早朝、誰も起きていない一般家庭に忍び込み、お母さんに代わって、朝食作りや子どもの見送りなど朝の家事を肩代わりするという内容だった。たまには朝寝坊させてあげようと、お母さんの目覚まし時計を慎吾ママがこっそり止めるのがコーナーの見せ場だった。慎吾ママは人気コーナーとなり、主題歌「慎吾ママのおはロック」もヒット。他局の歌番組に出演するほど、人気キャラとなった。

 当時、同番組の構成などを担当していたたむらさんは「少しでもお母さんの助けになりたい、(褒められることのない)家事にスポットが当たればという思いで企画した。今みたいに、ジェンダーフリーという言葉は頭の中にありませんでしたが、お母さんだけが家事をさせられるのはおかしいじゃないかという思いをぶつけた番組でした」と振り返る。

 企画のきっかけは、結婚して子どもを産んだ、たむらさんの妹が、働きながら家事も一手にこなす姿を見たことだった。「こんなことを毎日してるのに、誰にも褒められないという不思議な気持ちがあった。妹の夫も手伝ってくれるが、あくまで手伝い。妹も働いているのに、何で家事を一人で抱えてるんだろうっていう違和感を覚えた」。たむらさんは、1月6日付の毎日新聞夕刊のコラム「窓辺から」で、慎吾ママについて「20年前は“主婦の手抜き”として非難されることもあった『家事代行』をモチーフにした、日本初の家事アウトソーシング番組でもありました」と書いている。

名称変更求め署名活動始めた女子高生

 一方、「お母さん食堂」は、17年からファミリーマートが展開している総菜商品のブランド。イメージキャラクターに香取さんを起用し、和服にかっぽう着姿の“慎吾母”が、食堂のおかみとして温かい料理を提供するCMも放送した。たむらさんは「慎吾ママのブランドをつくってきた制作側の人間としては、慎吾母は慎吾ママを和風にしただけでそっくり。びっくりしました」と話す。「慎吾ママと慎吾母は違うものだから、私がどうこう言えるものではないけれど、知人から『慎吾母、やってるの?』と聞かれたこともあり、どうしても意識せざるをえない。メディアでも『慎吾ママから慎吾母へ』などとトレースして語られがち」と戸惑う。

 昨年末には、京都、兵庫、岡山の女子高生3人が、「ファミリーマートのお母さん食堂の名前を変えたい」とネット上で始めた署名活動が話題になった。協力しているガールスカウト日本連盟によると…

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