- Twitter
- Facebook
- はてなブックマーク
- メール
- リンク
- 印刷

<楽庫(らっこ)>
1月15日、柴田淳はオフィシャルサイトで、大阪、横浜、東京のビルボードライブでの3公演をすべて中止する報告を行った。
ライブの準備を緊急事態宣言下に行うこと、この状態でモチベーションを保つ難しさ、観客に不安な気持ちを抱いたまま会場に足を運んでもらうこと、すべてに「私が耐えられなくなってしまった」と苦しみを語り、「ライブは生半可な気持ちでは挑めません。(関係者の)心を一つにして、期待に応えられるステージを完成させることは、余りにもキャパオーバーでした」と真情を吐露する。「あけましておめでとうございます」で始まったダイアリーは、何度も何度も「ごめんなさい」を繰り返しながら「もっと伸び伸びと楽しめる日が来たら、これでもかってくらいライブをやります。その日まで、どうか生きててください」と締めくくりに向かう。血の涙で書かれたような文章である。
柴田は、昨年末、「蓮(はす)の花がひらく時」(ビクター)を発表した。コロナ禍のもと「命がけで」完成させた。迎える2021年はデビュー20周年。気合が違った。それが、年が明けた途端、再びこの騒ぎである。柴田が耐え難い苦しみの中にいることは想像に難くない。「しようがない」ではすませられない性格であることは「蓮の花がひらく時」を聴けばわかる。
この記事は有料記事です。
残り508文字(全文1060文字)