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近い将来ダムに沈む秋田県由利本荘市鳥海町の百宅地区。これまで営まれてきた暮らしの足跡を追った。

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ダムに沈む村・百宅/下 「最後の機会」マイスターに 学び、魅力再認識 「なくなっても 心の中に」 /秋田

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ダム建設に伴い伐採されたとみられる大木の切り株に手をかける村上肇さん=秋田県由利本荘市で2020年10月18日、高野裕士撮影
ダム建設に伴い伐採されたとみられる大木の切り株に手をかける村上肇さん=秋田県由利本荘市で2020年10月18日、高野裕士撮影

 由利本荘市薬師堂の村上肇さん(65)は1956年、現在の由利本荘市鳥海町百宅(ももやけ)地区に生まれた。実家は主にコメを作る農家。父親は農閑期である冬には林業に携わり、林業が衰退すると首都圏などへ出稼ぎに出て家族は生計を立てていた。

 高冷地の百宅地区には、冬は3メートル以上の積雪があった。雪の重みでつぶれるのを防ぐため、家の周りは全て雪囲いした。そのため、冬の間は家の中が真っ暗になった。冬は75年ごろまで車も通れなかった。

 積雪は5月の大型連休明けも残り、田植えは他の地域よりも2週間以上遅れた。役所からも遠く離れ、住民票を一つ取るのに半日かかった。

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