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「人新世」の危機を前に 科学の目で政治検証を=武田徹

 地質学では1万1700年前から現在までの時期を「完新世」と呼ぶ。この区分法に異を唱えたのがオゾン層研究でノーベル化学賞を受賞したパウル・クルッツェン博士だ。人類が環境に大きく影響を及ぼし始めた産業革命以後は別の時代だとし、「人新世」と呼ぶことを博士は提案する。

 確かに科学技術文明の影響は今や地球の隅々まで及んでいる。だが、そんな「人新世」の逆説として科学不在の真空地帯が文明社会の中に現れていないか。日本の新型コロナウイルス感染症対策はその典型のように感じる。

 ウイルスは一定の条件下で活性を保ち、生物の細胞に感染する。そうした自然の摂理を読み解く自然科学を踏まえた感染防止策を安倍・菅政権は取らなかった。たとえば人の移動量が増えて接触機会が多くなれば感染リスクの増加は自然の理だ。しかし、それを危惧する科学者の声に耳を貸さず、旅行や外食の需要を喚起し続けた政府はついに第3波の感染爆発を許すに至った。

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